家賃の値上げが問題に
ヤフーニュースに、大家からの家賃の値上げを通知された人が大勢いて、なかには現在の家賃の1.5倍だった人もいるという記事がありました。
不動産価格は最近は右肩上がり、特にコロナ禍後の不動産価格上昇が顕著です。
そろそろ家賃の値上げが問題になるだろうなぁ、そう思っていましたが、東京では顕著になっているようですね。
家賃の値上げは、今後、全国の主要都市に波及するかと思います。
大家側の状況
新築不動産価格の上昇、物価高、それらの状況から家賃が上昇するのは当然の結果です。
さらに、銀行から変動金利でお金を借りている大家にとっては、金利上昇の影響があります。
不動産価格が上昇すると、固定資産税も高くなります。
大家にとっては収支悪化は免れません。
大幅な家賃値上げを要求したくなる気持ちはわかります。
急激な家賃の値上げは大家にとって最悪の選択
家賃の値上げは、大家にとって、収支の改善又は現状維持のため必要な措置です。
しかし、急激な家賃の値上げは、かえって大家に大きな支出を強いることになりかねません。
借主が退去するからです。
物価高は、私たちの家計をかなり圧迫しています。
政府は、企業に賃上げを要求し、企業も人材確保のためもあって賃上げに応じています。
しかし、賃上げ幅は不十分です。
先日、発表された実質賃金はマイナスでした。
賃上げ幅よりも物価上昇の影響の方が大きいため、実質的には収入が減っているのです。
今後、家賃まで上昇すると、なおさら家計は厳しくなります。
家賃の値上げ幅が大きすぎると、借主は、より安い家賃の住宅へと転居するしかありません。
家主にとって、入居者の退去は最悪の結果です。
退去後、家賃を大幅に上げて募集し、収支を改善できると大家は考えますが、実際はそううまくいきません。
退去されてしまうと、室内の改装費用、募集経費(不動産会社の仲介手数料、広告料など)等、一時的に大きな支出が生じます。
次の入居者募集にあたり、家賃を高めに設定すると、次の入居者が見つかる可能性が低くなります。
長期の空室につながり、空室損が大きくなります。
長期間の空室に耐えられず、募集賃料を見直し、結局は前の家賃とたいして変わりがなかった、という最悪のケースも考えられます。
一時的な支出、空室損、これらを家賃を値上げ分の金額で回収するのにいったい何年かかるでしょうか?
大家は資金回収期間を考慮すべきです。
不動産管理会社にとっての家賃値上げ
不動産管理会社にとってはどうでしょうか?
家賃の値上げ交渉は、不動産管理会社にとってまたとないチャンスです。
売上を上げるきっかけになるからです。
大家の不満をあおって、大幅な家賃値上げ交渉を持ちかける不動産業者もいるでしょう。
入居者が家賃の値上げ交渉に応じたとき、不動産管理会社は、家賃値上げ交渉の成功報酬を要求するかもしれません。
さらに、借主が退去したら、退去後の改装、入居募集で売上を上げることができます。
不動産管理会社が全国規模の不動産会社、大企業であれば、売上を伸ばそうと積極的に家賃の値上げを持ちかける可能性があります。
東京で家賃値上げの動きが顕著になれば、全国の支店にも東京の成功事例をもとに同様の動きを指示することでしょう。
不動産賃貸市場は影響を受ける可能性があります。
家主はどう家賃の賃上げ交渉を行うべきか
家主は、家賃の値上げ交渉を行う際、どのように行うべきでしょうか。
借主を退去させない程度の値上げ幅に抑えて交渉すべきです。
また、物価上昇、固定資産税上昇など、家賃の値上げが必要だという根拠も丁寧に説明すべきです。
そのうえで、本来はこのくらい家賃を上げたいが、あなたは優良な入居者で、長く住んでくれていることもあり、今回の家賃値上げを極力抑えます、と説明します。
次回の更新以降、時間をかけて少しずつ家賃を上げる、激変緩和措置であることを説明することも忘れてはいけません。
家賃の値上げ幅が小さい場合、不動産管理会社には旨味がなく、抵抗されることもあるかもしれませんが、空室を出さないためにうまく交渉するように指示しておくべきです。
入居者の退去は最悪の結果であると、不動産管理会社にわからせる必要があるでしょう。
大家の皆さんが不動産経営に苦しんでいるのはわかりますが、入居者の生活も同じく苦しいのです。
一方的な値上げは信頼関係を壊します。
家賃の値上げは慎重に行うべきです。







