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カーペット仕上げの中古マンション 購入者の失敗とクレーム事例

中古マンション需要増にともなう築古年マンションの流通

新築マンションの市場価格高騰により、中古マンションのニーズが大きくなっています。
以前は不人気だった築古年マンションも、立地の良い物件を中心に取引が盛んです。
築35年以上経過している、昭和に建てられたマンションもまだまだ流通しています。

中古物件の良い点

中古物件の良い点は、現物を確認できることです。
状態を自らの目で室内の状態、日当たりなどを確認し、購入するか判断できます。
新築マンションであれば、モデルルームを見て購入を決定することが多く、竣工するまで室内の状態は確認できません。
思っていたのとちがう、ということもあり得ます。

しかし、中古マンションを内覧しても、それを見るあなたがマンションの基礎的な知識を持っていないと正しく判断できないことがあります。

原因は購入者が知らなかったこと

以前、知り合いの不動産会社の営業担当者が、中古マンションの購入者からのクレームを嘆いていました。
中古マンションを仲介した顧客より、マンションの床がフローリングじゃない、というクレームがあったそうです。
この中古マンションは平成初期の築で、床はカーペット仕上げでした。
平成初期頃までは、マンションの床をカーペット仕上げにすることが一般的でした。
当時は、フローリングは高級で、まだ珍しかったのです。

この購入者が内覧したとき、営業担当者は、床がカーペット仕上げであることを説明し、購入者はカーペットを確認して納得していたそうです。
それなのになぜ、クレームになったのでしょうか?

それは、購入者がカーペット仕上げがどういうものか知らなかったためです。
フローリングの上にカーペットが敷かれていると勘違いしていたのです。
カーペットをめくれば、下にフローリングあるものだと信じて疑わなかったのです。

マンションの床をカーペット仕上げにする場合、スラブ(床コンクリート)の表面をモルタルで均して、その上にフェルト、さらにその上にカーペットを敷きます。
カーペットはしっかりと固定されていて簡単にめくれないので、購入者はとまどったことでしょう。
カーペット仕上げから、フローリングにするためにはリフォーム代がけっこうかかります。
購入者は思ってもみなかったリフォーム代の増額に納得できなかったようです。

このクレームの原因は、購入者の理解が足りなかったことが原因と考えられますが、不動産業者の営業担当者も説明不足であったと考えます。
不動産の専門家が知っている常識が、一般の方には常識ではないことが多々あるので、丁寧に説明をしてあげなくてはなりません。
説明不足を責められても仕方がないとも言えます。

結局、カーペット仕上げであることを内覧時に説明していた点、重要事項説明書に記載し説明していた点などから、購入者のクレームは退けられました。

少しでも不安に思うことがあれば質問するべき

あなたが中古マンションを内覧したとき、重要事項説明書案を事前に取り寄せ目を通したとき、疑問に思った点、不安に思った点があったら遠慮なく不動産業者に質問しなければなりません。

多分こうだろう、こうなっているのだろう、こうなっているはずだ。
思い込みはだめです。
認識のずれを無くすためには、些細なことでも声に出して質問攻めにすべきなのです。
当たり前なことでも質問し、確認すべきです。
遠慮は不要です。

また、内覧の時間は余裕を持つべきです。
後がつかえているから早く切り上げようと焦らない状態、余裕を持つようにしましょう。

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