もし、あなたが、不動産投資の営業担当から突然の訪問を受けたら、絶対に家に入れてはいけません。
無理やりアポどりされたときも同じです。
そのようなやり方をする営業担当者、不動産会社はまともではないからです。
不動産投資の営業は、主にメールや電話で行われます。
不動産投資物件を販売する会社の多くが、東京、大阪などの大都市にあり、ターゲットとなる顧客の大半は地方在住者です。
距離があるため、簡単には会うことはできず、メール、電話による営業が中心となります。
訪問するときは、契約及び重要事項説明のときです。
契約書、重要事項説明書などの準備が無駄にならないように、顧客の契約の意思を確認し、アポイントを取って訪問します。
現在では、契約を電子契約にすることができ、重要事項説明もオンラインですることが認められているため、一度も会わずして契約することもできます。
契約の意思を固めてもいない顧客に対して、突然に、アポイントも無しに訪問することは通常はありません。
まして、いきなりの訪問で、契約書にサインさせるなんてことはあり得ないことです。
しかし、そのような強引で違法なことを行う不動産会社、営業担当者がいるのも事実です。
ターゲットは、不動産会社に近いところに住む顧客なので、多くは東京、大阪などの大都市在住の人になると思われます。
なぜ、強引に訪問するのか?
多少強引にでも、訪問して会うことは、見込み客を説得する大きなチャンスです。
面と向かって熱心に説明されると意思の弱い人はあっさりと説得されてしまいます。
メールや電話では断れても、会うと断ることができない、苦手という人が多いのです。
意思の弱い人だけではありません。
訪問してきた営業担当者が、時間をかけて熱心に説明をしてくれた、貴重な時間を割いてくれた。
契約してあげたい、契約してあげないと申し訳ない。
そのような気持ちになってしまう人も多いのです。
これは心理学で言うところの「返報性の原理」です。
人は、何かしてもらったら、お返しをしたくなる、という心理が働くという原理です。
メールや電話より、会って説得する方が何倍も不動産投資物件を売りやすいのです。
だからこそ、アポがあろうが無かろうが、訪問してくるのです。
強引な不動産投資営業の次の一手
強引に訪問した末の説得が功を奏し、次は契約しましょうと帰ったとしても、その顧客は時間が経つと冷静になってしまいます。
やはりやめたいと言い出しかねません。
絶対に契約させたい営業担当者は、ここで何か決定的な手を打つ必要があります。
それは、書面にサインさせることです。
仮契約書、注文書、購入申込書、書名はいろいろです。
契約っぽい書名なら何でもよいのです。
見込み客にサインをさせて、買ったという意思表示、自覚をさせることが目的です。
もはやキャンセルできないと勘違いしてすんなりと本契約という流れになります。
こうやって、たいして儲からないワンルームマンションなど、ただの借金になるような不動産投資物件が売れていくのです。
訪問に対する対処法
購入の意思が固まるまでは営業担当者に会わないこと、これが大事です。
すでに会う約束をしたのであれば、用事があるとか適当な理由で断りましょう。
断りの連絡は、できるだけ早く入れるべきです。
営業担当者は、契約予定として既に社内で報告していることがあるからです。
社内で報告できない、ひっこみがつかない、など営業担当者が追い込まれていることがあります。
直前の連絡だと、強引にでも訪問しようとするかもしれません。
もし、突然、訪問してきたら、インターホンで対応し追い返すか、インターホンに出ず居留守を使うと良いでしょう。
ちょっとだけとか、玄関先で済むとか言われても、絶対に入れてはいけません。
居留守を使った場合、何度も時間を変えて訪問してきたり、近くで待ち伏せすることもあります。
あまりにしつこい場合、会社に苦情を申し入れる必要があります。
営業担当者の上司を通してはっきりと不動産投資物件は買わないと断りを入れます。
待ち伏せなどされて、半ば脅迫めいたことを言われた場合には、警察に相談すべき事案となります。
契約書にサインしてしまった場合の対策法
勢いに押されて契約書にサインしてしまったら、どうすればよいのか?
その時はクーリングオフにより撤回できます。
宅地建物取引業者の事務所以外の場所でした契約などの買受け申込みにはクーリングオフ制度の適用があります。
自宅や勤務先にて強引にサインさせられた場合は撤回できます。
ずいぶん昔からクーリングオフできるようになっているのですが、あまり知られていないようです。
ご自分で手続きすることもできますし、心配だったら行政書士や弁護士に相談して手続きしてもらうとよいでしょう。
しかし、どんなときもクーリングオフできるわけではありません。
あなたが、自宅や勤務先で契約するから来てくれと言ったのであれば、クーリングオフはできません。
また、契約時にクーリングオフできる旨の説明を受け、告知された日から8日経過した場合もクーリングオフできません。
そのほか、不動産投資物件の売主が宅地建物取引業者ではない場合、売買代金を一括で支払ってしまった場合もクーリングオフによる撤回はできません。
さいごに
不動産投資物件について問い合わせをして、いきなりアポなしで訪問してくるような会社であれば、その時点でその会社との取引をあきらめてください。
本当に不動産投資物件を購入したい場合を除いて、安易に資料請求しない、不動産投資セミナーに参加しない、投資勧誘の電話がかかってきても話を聞かない、営業担当者とは絶対に会わない、家に入れない、これらのことを徹底して守るべきです。
強引に押し切られて買った不動産投資はかなりの確立で失敗します。
不動産投資に関するトラブルはかなり多いようです。
国土交通省、国民生活センターなども注意喚起を行っています。
以下に、リンクを貼っておきます。
国土交通省 「投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください」
国民生活センター 「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!」
不動産投資は、かなり難しく、リスクが大きい投資です。
はっきり言ってしまうと、儲かりません。
不動産投資が儲かるのであれば、不動産会社は自分たちで不動産を買い続けて規模を大きくするはずです。
マンション投資が儲かるのであれば、社員自らすべての物件を買い占めるはずです。
なぜ、不動産会社は不動産を売ってしまうのでしょうか?
なぜ、不動産会社の営業は、自社物件を買わないのでしょうか?
そこに答えがあります。