目次
はじめに
私がフリーランスになってから14年経ちます。
ファイナンシャルプランナー、不動産コンサルタントとして、個人のお客様から住宅購入や土地の購入、売却のご相談をうけてきました。
私の顧客である相談者の皆さんには、営業担当者の言うことを信じすぎないこと、冷静に第三者目線で考えてみることを常々申し上げています。
私はハウスメーカー時代、営業職でした。
自身が営業職の経験者でありながら、なぜ営業担当者を厳しい目でみるのか?
それは、ある私の経験が原因です。
その体験談は、以前はブログに記載していましたが現在では削除しています。
相手の社名を記載していたところ、相手の弁護士から削除要請があったからです。
顧客の一人にこの話が大好きな方がいて、なぜ削除したのかと度々おっしゃられるものですから、今回、その詳細を相手の社名を伏せて書くことにします。
悪評はネットに流させない某上場企業グループ
会社名を公表しても良いのですが、弁護士事務所に警告を受けるので伏せておきます。
その会社はあまり評判が良くない上場企業のグループ会社です。
ネットにネガティブな情報が流れると、お抱えの弁護士事務所からすぐに連絡が来ます。
ちなみに、その上場企業は、グループ会社、系列会社、代理店などを含めて数千社あると思われます。
頻繁に合併したり、社名を変えたりしており、把握が難しいです。
どの会社もテレアポ、訪問営業など、営業に力を入れており、とてもしつこいです。
主に個人事業者、中小企業をターゲットにしています。
事業者であれば、多少の無理をしても、消費者保護法の適用がないから簡単に契約をキャンセルできません。
どの会社も営業が強引なうえ、サービスの説明もあやしい営業担当者が多いです。
当然、会社もサービスも評判が悪く、ネットにはネガティブな情報であふてています。
この状況に対応するため、その上場企業は、グループ企業等全体に対してのネット上のネガティブ情報をモニタリングしている可能性があります。
ネガティブ情報をネットに上げると、弁護士事務所が抹消をするように警告してきます。
開業と同時にセールスのターゲットにされる
2009年に事務所を構えて開業すると、あらゆる分野の会社からセールスの電話が多数ありました。
私は集客のためにホームページに電話番号を載せており、電話番号は簡単に知ることができました。
開業したばかりの頃はセールスのターゲットにされやすいのです。
セールス電話が多い業種
インターネットが普及し、連絡はメールで済む時代においても、セールスの電話はあまり減っていないように思います。
特に私は当時は法人化していたので、やたらとセールスの電話が鳴りました。
私の経験上、セールス電話の多い業種、サービスは以下のとおりです。
- 携帯電話
- 複合機
- ホームページ作成、SEO等
- 新聞や雑誌などの広告掲載
14年前、開業したばかりの私は、上記のサービスのすべてを、セールスの電話がきっかけで契約、購入しています。その支出は総額2,000万円ほどになります。
携帯電話や複合機はどこかで契約しなければならなかったですし、セールスの電話をしてくる会社の契約金額は比較的安かったということもあり、特に不満はありませんでした。
しつこいアポどり
今でも思い出すだけで不快な、嫌な経験をしたのは、複合機のセールスです。
複合機のセールスは、すでにリース契約済みの複合機をいかに自社の契約に乗り換えさせるかです。複数の会社から定期的に電話や飛び込み訪問などのセールスがありました。
断っても断ってもやってきます。とにかくしつこい。
今の複合機のリース期間がいつ切れるのかだけでも何とか聞き出そうとします。
複合機の営業は、通常、事前にテレアポを取り、訪問日時を決めてから営業担当者が訪問するパターンが多いようです。訪問の約束を得るために、テレアポ専門の部署から度々電話してくるわけです。
ある会社は、テレアポ専門の部署ではなく、営業担当者Mが直にかけてきていました。
2、3回断ったら、今度はその営業担当者の上司と名乗る者が電話してきました。
「会うだけでいいですから会ってやってください」
「彼の話を聞いてやってください。」
懇願する口調での電話でした。
電話を受けたとき、私は不動産調査に向かう途中、JR大阪駅のホームからエスカレーターに乗っていました。電話を携帯電話に転送していたのです。早く電話を切りたかったので、つい会うだけならと適当に約束をしてしまいました。
営業担当者Mがやってきた
好青年に見える営業担当者
約束の日、時間に少し遅れてその担当者、Mはやってきました。Mは年齢は20代後半、元高校球児、営業トークはあまり上手ではないものの、好青年といった感じで印象は悪くありませんでした。
好印象だったため、つい、今困っていることを話してしまいました。
その当時、ホームページのリース契約が重荷になっていました。
思っていたよりもサービス内容が悪く、集客効果も売上も無いのにリース代は高かったのです。
詐欺のようなセールスが始まる
そこでMは急に考え始めました。彼の中では、これは複合機契約につながるチャンスだと思ったようです。
彼は、しばらく考え、電卓をたたいた後、以下の説明と提案をしてきました。
- ホームページのリース契約は解約すると残額すべてを支払う必要がある
- リース契約の残額は別のリース契約に上乗せすることができる
- ホームページリースを解約し、複合機を新たにリースし、残額を複合機のリース代に上乗せする
- 現在のホームページリース代と複合機リース代の合計額よりもリース代が減る
この説明を聞き、一瞬だけすごく良い提案じゃないか、そう思ってしまいました。
しかし、Mの提案はとんでもない内容です。大事なことを忘れています。
私は既に複合機を1台リースしているのです。
ホームページリースが複合機リースに替わって、月々のリース代負担が減っても、複合機2台も不要です。
もし、既に契約している複合機を解約すると、こちらも残額を一括で支払わなければなりません。
こんな当たり前なこと、Mは目先の契約に目がくらんで理解できていませんでした。
私が複合機2台もいらないと指摘したところ、Mの反応は意外なものでした。
Mは、月々のリース代を下げる、この一点しか頭にありません。
既契約の複合機リース契約も解約し、Mの会社でもう1台新たに複合機のリース契約を締結してくれと言いだしました。
そのリース契約に解約した複合機のリース残額を上乗せして支払えばよいなどと言い出しました。
複合機2台のリース契約を新たにMから買えばよいというのです。
Mはバカなのか?
ここで私はMに対して怒りをぶつけました。
「複合機は2台いらない」
「借金が膨れ上がるだけだ」
「得をするのはMとMの会社だけだ」
思わず怒鳴ってしまいました。
Mの本性
私に怒鳴られたとたん、Mも怒りをあらわにしました。
「あなたのために提案してあげているんですよ、何でキレるんですか、失礼ですよ」
「私に謝ってくださいよ」
「謝ってくれるまで私は帰りませんよ」
Mはなぜ私が怒ったのかまったくわからなかったようです。
Mの提案は私に負債の上乗せをするだけの提案です。
新しい複合機リース契約を2台したところで、リース残が多いので月々のリース代は多くなったはずです。彼の試算はおそらく間違っていたと思います。
彼は自分が契約を取りたいだけであり、私のことは何も考えていない。
自分のためにおまえが借金しろ、そう言っているのです。
だから怒ったわけです。
Mは、謝れ、謝るまで帰らない、そう言うだけ。
帰れ、帰らないのやりとりが続き、ついに私が折れました。
Mが脅迫めいた口調で危ない、そう思ったこともありますが、一番の理由は時間が無駄だったからです。
仕事のための時間がMのためにこれ以上失われるのは耐えられなかった。
「怒ったことは悪かったです。」
「どうか帰ってください。」
「謝ったから帰ってください」
Mに謝罪しました。
Mはニヤニヤしながら満足そうでした。
最後に、
「あんたみたいな貧乏人は、もともとうちの客ちゃうわ!」
そう捨て台詞を残して帰っていきました。
この言葉は忘れることができません。
彼は粗暴でどうしようもない人間だったようです。
こうやってあちらこちらでトラブルを起こし、これからもトラブルを起こしていくのだろう、そう思いました。
こういう人は、悪いのは自分じゃない、相手が悪い、そういう思考を変えることができず、成長しません。
今でも思い出すと腹が立ちますが、この体験を自分への戒めとしてMの名刺は今でも大事にとってあります。
教訓
電話や飛び込み訪問など、向こうから積極的にセールスしてきたものはだいたいハズレです。中には詐欺もあります。
これが私が得た教訓です。
以後、同じような体験をすることはありません。
セールスの電話、飛び込み訪問は一切受け付けないからです。
必要であればこちらから問い合わせるようにしています。
何かのサービスや物を買おうとするときは、事前に調べ、厳選された相手にこちらからアプローチすればよいのです。
向こうから来るのを待っている人は損をします。
こちらから問い合わせて納得するまで説明を受け、契約書を隅々までよく確認したうえで契約しなければなりません。
慎重に契約したサービスや物は満足できることが多いです。
売る側は、相手に深く考えさせないために時間を与えません。
それがわかるようなセールスだったら、一度、時間を空けた方がよいです。