団塊世代からの相続が増加
団塊世代から団塊ジュニア世代への相続が進んでいます。
相続財産のなかには、売るに売れない、困った不動産も多く含まれています。
空き家、空地、リゾートマンション、別荘地など、負の財産となっているまさに負動産です。
中にはかつて横行した原野商法で買わされた雑木林なども多く含まれています。
団塊世代とは1940年代後半に生まれ、バブル期に現役、日本のあらゆる現場で中心として働いた世代です。現在は80歳を過ぎています。
団塊世代が働きながら資産形成を考える年齢だった1970年代後半から1980年代に、不動産価格は右肩上がり。
とりあえず土地を買っておけば将来、値上がりが期待できました。
土地を買うことが確実な資産形成術と考えられていました。
この頃、将来、値上がりするからとだまして価値のない土地を買わせる詐欺が横行しており、社会問題になっていました。
だまされて買った土地は、そのまま処分されることなく所有を続け、今、次の世代に相続が進んでいます。
原野商法で買った土地を相続したら注意するべきこと
親が原野商法でだまされて買った土地を相続した場合、注意しなければならないことがあります。
それは、だまされないこと。
原野商法の二次被害にあわないように注意しなければなりません。
現在の原野商法は、かつてのように新たに原野を切り売りするのではなく、原野商法でだまされた人、その相続人をターゲットにした新たな形に変化しています。
原野商法の現在の形は主に3つ
原野商法の現在の形は主に以下の3つです。
買取り
不動産業者を名乗るものが、土地を高値で買い取る、売ってほしいと話をもちかけるもの。
数年前に流行った手口として、節税の口実で、土地の売却と同時に別の土地の購入を契約をさせるものがあります。
原野商法で買った土地を売却し、別の原野商法の土地を買わされる、という被害が一時期増えていたようです。
原野商法の土地に価値はなく、売買で高額な税金を支払うようなことはあり得ません。
冷静に考えればそのような詐欺の被害にあうことはないはずです。
測量費等諸費用の請求
売却を匂わせて、先に売却諸費用をだまし盗る手口。
不動産業者を名乗るものが、土地を買いたい、もしくは買いたい人がいるという話をもちかけるもの。
話をもちかけてくる詐欺師たちは不動産業者を名乗ります。
売却のためには事前に測量をする必要があるとか、整地が必要だとか、事前に費用が必要となる、売却前に支払ってほしいともちかける、というものです。
お金を支払ったら連絡が取れなくなります。
管理費請求
管理業者を名乗るものから、管理費が滞納になっている、過去の分も含めて支払うように請求してくるもの。
原野商法で売られた土地に管理業者がいることはありませんが、所有者も一度も見たことが無い土地で数十年にわたり放置してきたので、中にはだまされる方もおられることと思います。
原野商法の土地には管理業者などはいないのですが、別荘地として整備されている土地の中には、管理業者がいたり、管理組合のようなものがあり、実際に管理業務を行っている場合があります。
別荘地を購入して放置している場合、管理業者等を名乗る者にだまされる可能性があるので注意が必要です。
だまされないために
原野商法の二次被害にあわないためには、その土地の本当の価値を知る必要があります。
現地を確認すれば一番良いのですが、多くは行ったこともないような遠方にある山のなかです。
実際に行くのは多額の費用がかかります。
そこで、Googleや国土地理院の地図で航空写真を見て位置を特定し、現状がどうなっているのか確認します。
私が過去に相談を受けて調べた原野商法の土地は、山林や雑木林ばかりで、道路が確認できない土地が大半を占めます。
周りに木しかなく、道が無い土地を誰が買うでしょうか。
高く買います、と言われたら詐欺だと気づくことでしょう。
管理費、測量費など事前に費用がかかると言われても固く断り、それらの費用を支払うくらいなら買わないとか、手付金、前金を要求してそれで支払うとでも言い返すとよいでしょう。
一番大事なのは、売買の話がきたらほぼ詐欺だと思うことです。
周りの誰かに相談するのもよいでしょう。
今後、原野商法の二次被害が拡大する可能性がある
私は、今後、徐々に原野商法の二次被害が拡大するのでは、と懸念しています。
理由は2つ。
1つは、原野商法の被害にあった方が亡くなり相続が増加しているため。
親から相続した方は、得体のしれない土地を所有することに不満を持ち、早く手放したい、機会があれば売りたいと考えるのは当然のことです。
その心理につけこんで購入を検討しているふりをして近づいてくる詐欺師が必ずいます。
2つ目は、所有者が明確になるためです。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
また、今年、2026年4月1日から住所、氏名の変更登記が義務化されます。
今まで、原野商法で被害にあった方の多くは、住所変更があっても変更登記を行っていませんでした。
所有者にアプローチしようにも、登記の住所地に住んでいなければ詐欺師もアプローチできなかったわけです。
つまるところ、原野商法で取引された土地の多くが、所有者不明土地のような状態になっていました。
所有者を探すためには、住民票や戸籍で転居先を追うしかなかったので、誰もが知ることができませんでした。
登記情報で所有者の正確な住所、氏名を知ることができるようになると、その気になれば詐欺師たちが所有者をだますためにアプローチできるようになります。
原野商法の土地だけでなく、放置空き家、別荘、リゾートマンションなど、現在では取引が難しく、負の財産となっている不動産全般に同様の詐欺が考えられます。
所有者は、所有する不動産の正確な価値を把握し、うまい話を持ってくる人間を警戒し安易にお金を出さないことが大事です。







